② 痛みの役割

2019年9月28日

痛みは 「脳」ではじめて認識される現象だと 前回 書きました。

では、「 痛みの役割って 」何でしょうかね?

2つ考えられます。

1. 「 怪我などした場合に、炎症を起こさせて組織を修復する役割 」
2. 「 組織の修復期間中に体を動かさないよう、警告する役割! 」

 

1.は、炎症を起こすことで、白血球・リンパ球などのいろいろな物質を総動員させ
損傷した組織を修復するため。

2.は、せっかく組織を修復しているのに、動いてむちゃをされたら新たに二次災害を
起こしてしまいますよね!

なので、二次災害を防ぐ警告としての役割も 「 痛み 」 にはあると思います。

では、どうやって壊れた組織は、痛みを知らせるのでしょうか?

組織が損傷すると、細胞から痛みを知らせる 「 発痛物質 」 が放出されます。

この発痛物質は、筋肉・靭帯・臓器・骨膜・脳膜など ・・・ 体の至る所に存在する
神経の受容器 ( レセプター ) に感知され、その情報は背骨の中にある脊髄神経を
通って脳に伝わり、最終的に 「 痛み 」として認知されます。

そして 「 痛み 」 には実は種類があります。
 

「 速い痛み と 遅い痛み 」

ひとえに 「 痛み 」といっても、人それぞれ感じ方は違います。
我慢強い人もいれば、ちょっとした刺激に過敏な方まで … 様々ですが、
大まかに分類すると

① 鋭い痛み  ② 鈍い痛み の2つに分類することができる。

種類の異なった痛みの情報は、脊髄内をそれぞれ別々のルートで脳へ伝わっていきます。
 

「 図:東洋医学研究所より 」
 

ひとつは  ( Aデルタ )と呼ばれる神経線維。

これは 「 新脊髄視床路 」 と呼ばれるルートを伝わります。

もうひとつが C 神経線維の通る「 旧脊髄視床路 」

神経繊維は、急性の鋭い痛みを伝えるのが特徴でして
ぎっくり腰の瞬間や、火傷した瞬間に感じる 「 強い痛み 」を伝えます。

この痛みは 「 ここが痛い! 」 と、本人がはっきり自覚できるのが特徴です!

一方、C 神経線維が伝える痛みは、ぎっくり腰を起こした後から感じるような痛みや
火傷してジワジワと感じてくる 「 鈍~い痛み 」 を伝えています。
 

Q では、「凝り」は?

①  神経線維 or ② C 神経線維の、どちらが伝えているでしょうか。

ほとんどの人は 「 凝り 」 を表現する際

“ この辺 " が、 「 重い ・ だるい ・ こってる 」 と表現しませんか?

 

ぎっくり腰や火傷の瞬間に感じるような、鋭い痛みではないはずです。

ということは、普段感じている凝りというのは ② の C 神経線維 と
関わりが大きいということ。

怪我をしてすぐに感じる痛みは 「 急性痛 」と言って、急性の痛みというのは
新たな組織損傷を起こさせないよう 「 動くな! 」と、警告信号を

脳へ送る役割がありました。

これを伝える神経は Aδ で、体を守るために必要な感覚と言えます。
 

これに対し 「 慢性痛 」は、組織損傷がさほど強くない状態や

もうとっくに改善していてもおかしくない時期に 『 まだ痛みが続いている状態 』

「 慢性的な痛み 」 = 「 慢性痛 」って言われています。
 

西洋医学は、慢性痛に対し " 一時的に痛みを抑える薬 " 以外には
あまり手段を持っていないのが現状でして

実際に、接骨院や整体・鍼治療を希望する患者さんの8割が
慢性的な痛みに悩んでいると言っても良いかもしれません!

そうでなくても、普段から凝りに悩まされている人は大勢いらっしゃいますね。
 

でも、ちょっとまって!

改善していてもおかしくない時期に、まだ痛みがあるって変じゃないですか?
 

次回は 何故、慢性痛は起こるのか? を考えてみましょう!

知りたがり屋のナーニ? 東洋医学の穴