すぐに役立つ治療のヒント 「 ディスアファレンテーション 」
ギックリ腰( 急性腰痛 )を起こした直後より、何故安静にしていたにも関わらず
一晩もしくは2日目以降に症状が酷くなることがあるのか?
今回は、近年米国カイロプラクティック界の一部で持ち上がってきた
理論と言われている ディスアファレンテーション を紹介。
【 Dysafferentation 】 「 求心性神経入力不全 」 と、訳されるそうです。
導入は 「 大川カイロさん 」 の 動画説明 がわかりやすかった。
Aδ および C 線維の求心性入力が増大すると
Aβ および Ⅰa 線維からの求心性入力が低下する。
又は、動き 「 Ia = Aα繊維 」・圧 「 Aβ線維 」からの刺激入力が
減少すると、侵害刺激 Aδ ・ C の 痛覚入力が増大 する。
もしくは、その抑制が効きずらくなる。
そんな風に理解して貰うと良いかと思います。
腰痛を例に話が進んできましたので、「 椎間関節 」 もしくは
その付近で起こった腰痛で何故だなんでだろうしてみましょう。
関節 ( 包 )・ 靭帯 ・ 筋肉 ( 膜 )などの軟部組織の損傷、またそれに伴う
炎症は 「 侵害刺激 」 として求心性に入力され、脳で認識される。
Aδ 速い痛み C 遅い痛み って、ありましたよね。
( 画像クリックで大きな図が開きます。 )
痛みがあれば当然動きは制限されます。
また痛みが和らぐ姿勢でじっとしていたり、もしくは 「 安静にしていて下さい 」
と言われる事も多いでしょう。
結果、受傷部位付近の筋群は短縮、椎間関節の不動化を助長します。
これは又、局所痛や関連痛、「 痛みの悪循環 」を形成する要因にもなるが
不動化すると、当該位付近の組織から、圧 ( Aβ )・ 動き ( Ⅰa ) 刺激の入力も
減少するということらしい。
これでは 【 ゲートコントロール理論 】が機能しません!
ゲートコントロール理論は、適正な圧・動き刺激の入力で 「 侵害刺激 」を
脊髄レベルで 抑圧 するとされているからです。
すぐに役立つ治療のヒント 「 ゲートコントロール理論 1 」
すぐに役立つ治療のヒント 「 ゲートコントロール理論 2 」
ただでさえ 「 侵害刺激 Aδ ・ C 」 の入力が増している所に
それを抑える役目を担う、動き 「 Ia = Aα繊維 」 や、圧 「 Aβ 」 刺激の入力が
減少すれば、痛みは増すばかり。
ここまでが、安静にしていたにも関わらず痛みが酷くなるかの理由です。
そしてもう一つの、おそらくより重要な、何故だ何でだろうがありまして
この詳細は、「 脳 ‐ 身体 ‐ 心 」 の治療室の記事に詳しく書かれていますが
痛みは 「 侵害受容感覚 ( Nociception ) 」 によって引き起こされる
ひとつの結果であるという事です。
総じて脊椎付近の組織への 「 侵害刺激の増大 」 は、痛みとして大脳皮質に
認識されるものと、また別のルートで視床下部や延髄を刺激する場合がある。
つまり、自律神経症状は無視できないって事なんですが
要約すると、「 痛覚・情動系 」のルートには、「 局所痛 」「 関連痛 」へ
分かれるルートと
それとは別の 「 自律神経反応を賦活 」させるルートがある。
> 「 何が、何ゆえにルートのポイントを切り替えるのだろう? 」
ゲートコントロール理論は、平衡感覚、固有受容器 ( 自分の体の位置や姿勢についての認識 )
随意運動など
これらの神経線維からの情報入力が 適正に統合されて初めて機能するもので
圧 「 Aβ 」 ・ 動き 「 Ia = Aα繊維 」 受容器に連なる神経線維は
直接又は間接的に、脊髄、脳幹、小脳、視床、大脳皮質中の核に集実しています。
( 画像クリックで大きな図が開きます。 )
なので、圧・動き刺激の入力が減少することで、これらの機能を混乱させるのかもしれない。
平衡感覚や固有受容器は、めまいやふらつきと関係するでしょうし
固有受容器からの随意運動の失調は、手足などの筋肉の震えとして自覚される。
当然、自律神経系に作用すれば、蒼白、発汗、除脈、吐き気や血圧降下の症状だってある。
こういう患者さんって、良くいませんか?
病院に行っても異常なしって言われるらしいけど …
そこで、おもしろいのが「 ハペシート 」という インテック研究所 の製品。
巻くだけで痛みを抑制し、かつ面積広く運動鍼の効果を発揮するとの事です!
これ、色々な使い方ができると思います。
あわせてご紹介してみました。
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