アナトミートレインと経筋 ・・・ 続き

アナトミー経筋


前回、 『 アナトミートレインと、鍼灸の経筋学説 』 には

驚くほど共通点が多い事に触れました。

東洋医学では、数千年前から発見されている 「 経筋 」

今回深く掘下げてみたいと思います。

経絡という言葉は一般的ですが 「 ” 経筋  ” 」 となると
鍼灸師さん以外は、なじみのない言葉ではないでしょうか?


「 経筋 」 とは、十二本のルート ( 道 ) に分かれた筋肉組織のことで
全身の筋肉を 「 十二経脈 」 の分布にもとづき、手足の三陰三陽に
分けたものが十二経筋とされ

いわゆる一般的な経絡 ( 十二経脈 ) の気血によって滋養されているものです。

つまり筋肉組織の事。

その循行は手足の末端部より起こり、  ( 薄く広がる ) と表現され
関節部に付着 ( 結 ) しながら十二経脈と同様にルートが決まって
循行しているとされています。


経絡と違うのが、 「 体内の臓腑と直接結びついてない 」 ことです!



まさに東洋のアナトミートレイン


経筋の記載は中国古典の医書  『 霊枢 ( 経筋篇 ) 』 に、初めて記載があり

霊枢は BC 20年から 200年の間に編纂された医学書とされてますから
東洋医学では恐ろしく前からアナトミートレインのような事をやっていました。

それでも、経筋に見られる 「 筋の連動性 」 は、日本療術独自の叡智のように
仰る方もいるみたいですが・・・


この治療の特徴は 「  」 といって、( 寒 ) によって強張った筋肉に
焼き鍼を刺すというものです。

冷えると血行が悪くなって筋肉が縮みやすくなることから
こういう治療が行われてきたそうです。

その方法は 「 以痛為輸 」 。 

すなわち押さえて痛いところを治療点とし、そこに焼き鍼をするというものです。
あまりに簡単な治療法ゆえ、あえて注目される事はありませんでした。


しかし日本では、もっと簡単な治療法にするほど受けるようで
最近の経筋治療は手足の末端にある ツボ ( 榮穴・兪穴 ) を取ると
されているようです。

本当は経筋上のどこでも構いません。 しいていうなら  ( 関節に付着する )  
が重要ではないでしょうか?

何故なら、筋は関節をまたいで連結してるので 「 筋腱移行部 」 に最初に
痛みが出やすく、大きな筋腹自体が痛むようになるのはかなりの慢性痛だと思います。

もしかするとこういう場合に焼き鍼が即効性があるのかもしれませんが
おいらは試してないのでわかりません。


また古典では、火鍼は寒で引きつったものに使い

「 熱により筋が緩んだものは適応外 」  と書かれています。

しかし、これまた新しい解釈をする人はいるもので、いくつか出版されてる
経筋の本では、熱により緩んだ筋肉の場合 「 冷やせば有効 」 と書いてあった。

でもこれは違うようです。


古典に書かれているこの場合の熱とは、小児麻痺 や 脳炎 などの
疾患を指したもので、唯の熱で筋肉がだらんとしたものとはどこにも書いてない。

おそらく中国語の意味を間違って翻訳しちゃったんだろうと
北京堂の浅野先生のHPに書いてあった記憶が・・・。


またどうして経筋病に 榮穴兪穴 を取るのか? これも不思議です。


これはどうやら  『 霊枢 ( 邪気臓腑病形篇 ) 』  にある

「 兪栄は外経を治し、合は内腑を治す 」 というくだりから

榮穴・兪穴が経筋病にも有効だと解釈した事が始まりのようです。

但し、『 霊枢 ( 邪気臓腑病形篇 ) 』 に書いてある ” 兪栄は外経を治す ” とは

経絡に病がある場合 の事を言っていて、その場合は栄穴・兪穴が良く用いられ
内腑病を治療する場合は、合穴がよく選穴されるという意味であって

経筋病がこれと同じとはひとことも書いてありません。


ですから運動器疾患に対して

何故? 正経十二脈にこだわる人がいるのか?


経筋の病とは、寒邪による気血の停滞や、筋の使いすぎ、捻挫打撲などに
よって起こる外因性の運動制限 を言ったものであり

「 内因 」 がもとで臓腑経絡に症状が現れるものは含まれていない。

おいらみたいな凡人にはこのほうが解りやすいです。

それでも、オーソドックスな本治が! という声が聞こえてきそうですが

経絡以外に経別・皮部とあるなかで、どの程度それが確信的な治療とされているのか
根拠を知りたくないですか!

経絡・経筋・経別・だって概念自体知らなかったら架空上のシステム。 
もしくはロマンですよ。

だから、全く東洋医学を学んだことがない人にまで
このツボ ( 穴 ) は何々に効くって言われちゃう世界。

病は気からと言いますが ・・・ それこそ変な宗教にだまされて買う
高額なツボ ( ) ですよ。

あー まじめに書いてみたら、愚痴っぽくなって疲れちゃいました。



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  3 comments for “アナトミートレインと経筋 ・・・ 続き

  1. Pingback: マサ
  2. 匿名さん
    2010年10月9日 at 9:19 AM

    はじめまして。ホームページ拝見させていただいております。難しいと思っていることを分かり易く書いてもらえるので、助かっております。
    勉強会について興味があるのですが、按摩師でも参加可能でしょうか?

    • masa
      2010年10月9日 at 12:00 PM

      匿名さんこんにちは。 コメントありがとうございます。

      >勉強会について興味があるのですが、按摩師でも参加可能でしょうか?
      もちろん可能ですよ。 詳細はこちらを参考にしてみて下さい。

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