十二指腸潰瘍に有効だった鍼灸治療 その1

2019年10月10日

鍼灸が肩こりや腰痛などに効果を発揮することは広く知られていますが
「 内科疾患 」( 内臓のトラブル ) にも、適応範囲が広い事をご存じでしょうか?

今回は良くある消化性疾患 「 十二指腸潰瘍 」 に有効だった鍼灸の症例。

【 内臓 – 体壁反射 】 を活用した痛みの鎮静

「 40代 男性 」

鳩尾から腹部にかけての痛みと胸焼け。
食事をしたら治まったので、軽い胃炎かと思ってその日は就寝。

翌日も起きると胸焼け感は残っており、午後にかけて痛みが酷くなってきたので
心配になって病状をネットで検索。

みぞおち辺の痛み・空腹時痛・夜間に痛みがあったことから
胃・十二指腸潰瘍ではないかと検討がついたそうですが、もしかしたら
癌とかじゃないかと余計に心配になったそうです。

最近、事前に症状を調べてこられるネット世代の患者さんが増えてますね!
 

次の日も状態は変わらず、痛みも徐々に酷くなった為、不安になって夜間病院へ電話!

親切なDrが電話で問診してくれたらしく、恐らく十二指腸潰瘍だろうとの事で翌日病院へ。
内視鏡検査の時間がとれず予約を取りつけ、薬を処方してもらう。( ファモチジン錠 )
 

胃・十二指腸潰瘍と言えば、ストレスの代表のような症状ですね。

最近はピロリ菌の持続感染も示唆され、菌の毒素が胃粘膜を侵して防御因子となる
粘膜分泌を弱くすることが知られています。 しかしそもそもの原因 ( ストレス ) は
自律神経の乱れによるもの…

その結果、胃酸の攻撃因子と粘膜の防御因子のバランスが崩れて
消化器官内にびらんや潰瘍を引き起こすので、根本治療は自律神経系を
整えることかと思います。

病院は対症療法として、胃酸を抑える薬を処方してくれます。

では、自律神経を整えるにはどうすれば良いでしょうか?

そこで、鍼灸やマッサージなどが有効な手段となります。
今回は病院に行った翌日に鍼灸治療を行いました。
 

【 内臓 – 体壁反射 】 を活用した痛みの鎮静と、交感神経優位状態の改善プラン
 

unitelabo-Material 【 内臓 – 体壁反射 】

内臓に病変が起こると、 緑色の求心性神経を介して情報が脊髄に伝わり
脳が痛みを感じはじめます。

そして脳が 「 痛み 」 を認識したと同時に、 遠心性 ( 下行性 ) にも
反応が現れる。

どのような反応かというと、上腹部の辺りの皮膚のざらつき、冷え、汗ばみなど
交感神経を介した反応です。

また、体性運動神経を介して  のデルマトーム上に硬結やコリといった筋の緊張も!

図が複雑でイライラしてきますね。 

なんだか説明するのもめんどくさくなってきました ・・・。
あんご鍼灸院の現代医学的鍼灸治療ブログから文章をお借りしましょう。
 

 

ポイントは交通枝を介して、交感神経と体性神経がなにかしら繋がっており
内臓の病変は、体表に反応が現れてその場所もあるていど特定ができるということ。

それが胃・十二指腸などの上腹部消化器ならT6~9上のデルマトームに
鈍痛や凝りが現れ、そこに鍼灸やマッサージなどを施せば
逆行性に反応が起こって、症状を緩解できるというものです。

【 体性 – 自律神経反射 】 を用いた、現代医学的鍼灸治療という訳ですね。

先日内視鏡検査の結果がでて、消化管内は荒れているものの潰瘍はなかったそうです。
ピロリ菌にも感染していないとのこと。

痛みや気持ち悪さ、お腹の張りもとれたそうで、鍼灸治療が有効だったのでは?
と思われる症例でした。

胃・十二指腸潰瘍などでお悩みの方は鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか。
 

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【 現代医学的鍼灸治療が受けられる治療院 】

~ 編集後記 ~

交通枝の入力・出力って実際はもっと複雑! 
超めんどくさいので図にするのあきらめた。 
詳しく知りたい人はこっちを参照してね。 

次回は中医学的な観点から予定 ・・・