いまさら聞けない! 「 中二病鍼灸師 」 超入門 ②
東洋医学の勉強をしつつも「 経絡 」は実感できないおいら。
だからこそ「 経絡敏感人 」には凄く興味がある。
果たして鍼灸師さんの何割位が、経絡を実感しているのか?
twitter や mixi でアンケートを行ってみたのですが、前回
経絡の実感って本人の思い込みによる中二病? なんて書いたら
すっかり回答数が伸びなくなっちゃった。
そこで
「 アンケート結果を発表! 92名がお答えくださいました。 」
ご協力ありがとうございました。
鍼灸師さんを対象に、経絡は実感できるか? という質問に対し
はい 63名
いいえ 29名
という結果に!( UNITElabo 調べ )
そもそも自分のような経絡懐疑派というのは、マイノリティなのだろうか?
気になって調べてみたら、ネット上に興味深いレポートが落ちていた。
2002年 第51回 全日本鍼灸学術大会
「 経絡論争期の経絡・経穴についての基礎研究 」
米山博久の投げかけた「 経絡否定論 」(1952)から端を発した
経絡について、2年余に渡った論争があった事を、遅ればせながら初めて知りました。
お読みになった事がない方は、お時間のある時にでも。
ざっとみると、1950年代ですら「 経絡懐疑派 」は少数な様で
「 経絡説に反証を挙げるものもなければ、否定するものもない 」
医学一般の場に於いて、鍼灸治療を位置づけることを課題とするならば
もっと活発な討論が行われるべきであり、否定論者の登場こそが待望される。
敢えて私がこの小さな抵抗を試みる … 米山博久さんは
古典を信じようとして、信じられず之を排して経絡を否定したとある。
あなたは魔狼となって時代を見極めた 「 天狼星 」の
リュウガですか?
( 北斗の拳より )
米山博久 の泰山天狼拳 ( 鍼灸治療 )
経絡に囚われず、自律神経反射・内蔵体壁反射などで説明はつくとして
病体把握については現代医学的な手法で一貫。
この人を心の師匠と呼ぼうかな ・・・
はたして米山の掲げた 「 医学一般の場に於いて、鍼灸治療の位置づけ 」 は
変化したのだろうか?
経絡を巡ったこのレポートには、様々な有名人が登場している。
経絡敏感人を実験したアミバ「 長濱」。 あくまでも中立を好む雲の「 間中喜雄」
丘疹拳の開祖「 藤田六郎」 に、修羅の国の「 キム・ボンハン」 などだ。
石川 太刀雄 の内蔵体壁反射や良導絡の 中谷 義雄 は有名ですが
興味深いのは丘疹拳開祖の藤田六郎が、筋膜系に包まれた組織液の移動を
「 筋主因性流動通路膜系 」 と呼び、その流動系路に起こった反応を
知覚神経が感知した現象が経絡ではないかと推測。
これに内臓体壁反射を加味して、経絡と結びつけている事!
圧診点と丘疹点 (1960年) (藤田六朗論考集<第1輯>)
今でこそアナトミートレインは一般的になってきましたが
この時期に筋の運動( 経筋 )により、一定の深さの筋膜( 経膜 )内にある
脈管外通路を体液( 経水 )の波動( 経脈 )が流れる空間と位置づけている。
すげー早くて前衛的だ! この理屈なんじゃないだろうか? とさえ思える。
このレポートの結語には、この時代の経絡・経穴を解明しようとする
姿勢には学ぶべきものが多くあり、現今の鍼灸教育には無くてはならないものだと
綴ってあった。
現在のはりきゅう理論 ( 教科書 ) には、こうした経緯は描かれておらず
このことを踏まえずに先に進む事を機具すると ・・・。
2002年の全日本鍼灸学術大会と言えば、わずか10年前ですが
かつて経絡についてこんな論争と経緯があった事を知らない世代にとっては
凄く価値のあるレポートではないでしょうか。
「 医道の日本 」プレイバック!(1) にて
米山博久の経絡否定論 (1952年) がフューチャーされてました。
原文は こちら
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