鍼灸と広告

2019年10月1日

http://1.bp.blogspot.com/_Dc8q8nuzrHw/SfgEpqrIOsI/AAAAAAAAEwY/lJumcvXFxic/s1600-h/Afbeelding+2.png

ポスターに描かれた女性の背中に、鍼を見立て画鋲を刺した広告。

スーパーマーケットやコーヒーショップに多い掲示板に掲出された
鍼治療院の広告プロモーションだそうです。

海外のものですが、斬新でセンスが良いなと思った。

日本の場合、鍼灸というとまだまだ古臭いイメージがあります。

ですからイメージ広告だけで、患者さんに鍼灸の効果を訴えるのは
難しいとは思うのですが、客層を選ぶ小さなサロン的治療院なら

こうした宣伝方法もありではなかろうか。
機会があったら真似してみたい。

良いデザインは人を惹き付け、内容やその業がもっている
奥行きまで訴える力を持っていると言う。

しかしどんなにデザインが良くても提供する業が薄っぺらだったら
これはどうしようもない。

プレゼンテーションには " マジック " と “ ロジック " とあるが
どちらもバランス良く身につける事が大事と思うこの頃。
 

鍼灸を学びに専門学校に入学し、そして思った事が

「 東洋医学 」 の概念は一人歩きしている感があって

自分がこの世界に入る前に思い描いた、憧れとも思えた

「 魔法 」 のような 「 東洋医学 」 は

存在しないと、今では思うようになりました。
 

何でも治る、治ったような事を " ほのめかす “ 人はいるが
そういった方々はグレーな部分をアピールする必要があるからです。

むしろ、東洋医学って自然に近い営みって何? から、始まっていますし

経験医療ですから、1回で治るとか楽して治るとかって別に考えていなくて
偶々そういう場合もあるでしょうけど、世間のイメージとはズレがあるんですよね!

「 農業 」 もそうですけど、農薬を使わなければ手間がかかります。

だからこそ 「 無農薬農法 」に、価値があるのでしょうし、農薬を使えば
雑草すら生えてはきません。

薬もある意味一緒です。 胃薬だって胃を治している訳じゃありません。
例えば、胃がムカムカしてるのを胃薬で止める。

これって本当に胃が悪いんでしょうか?

体の都合から言えば、胃は正常です。 これ以上胃に負荷をかけて欲しくないから
体は胃がムカムカすると言ってサインを出している。 

でも胃が悪いと思ってせっせと薬を飲む ・・・

サインを薬で止めてるだけ ・・・ 整えてるわけじゃないですよね。

また、セラピストさん達にありがちなケースですが、どこに何をしたら
症状がとれちゃたの! 私スゴーイというエゴセラピーな方 …

先ほども書いたように、健康というのはその方の体力や
発現の程度にも左右されている訳ですから、養生という面でみれば

そんなにすぐ回復しないなんて事も多々あります。 養う必要があるからです。
例えば咳を止めたり、発熱を抑えたりするのに薬ではシャットアウトですから

すぐ効きますけど、自然治癒を促進させるとして
その場合にはどのようなプロセスで、その症状が治まる

( 症状である必要がなくなった )のでしょうか?

喩えは悪いですが、ものを食べて一瞬でうんちになりますか …

そういう機序や理には触れず、別にどこを触ったって変わるような事を
つついて満足し、かといえばいきなり死後の世界みたいな節理を語る。

つまり何が言いたいかというと、「 」がない。

病気にしろ、何かが変化する・させるには 「 間 」が必要な場合が多いはず。

自己欲求を満たす為にセラピーに取り組むなら、それは甚だ勘違いでしょうし
ご自分の養生に他人を引き込んではいけません。 

また、もし簡単に楽に治せるなら

重い症状に悩み疲れ切ったクライアントさんを相手にしてあげてください。
病院にいけばゴロゴロ患者さんがいますし、浮浪者さんも体調が悪い方が多い。

そういう意味では鍼灸なんかでも 「 耳つぼ 」 で痩せるとか

「 美容鍼灸 」 で綺麗になるというのは短絡的ですし

それに準じた施術者、お客様をターゲットにした広告なんだと思いますよ。

どちらにしても、こういう便利と不便・効率と非効率の狭間で、物や生き方を
選択していく時代になってきてるいるのではないでしょうか?

誰に対してどのような広告を打つか、改めて考えてみるべきだと思いました。

参照元 liu shuang “acupuncture
 

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