前回 はそのことを説明しました。
今回は、『 具体的に反射はどう影響するか? 』 考察してみたいと思います。
皆さん良くご存知の五十肩を例にしてみます。
一般に五十肩とは肩関節を構成する筋肉群が損傷した結果、
後日に拘縮 ( 筋肉が縮こまる ) 変化を起こして運動制限、特に挙上困難となる。
また進行すれば関節にも負担がかかるため、骨・軟骨・靱帯・関節包をも
悪くしてしまう可能性がある症状で、一般医療では異常が見当たらない肩関節周辺の痛み。
これが五十肩の定義です。
いわゆる老化に伴った “ 酷い肩凝りから発展した症状 “ ですが、若い時は
たまに肩凝りを経験しても ” 凝りや痛み ” は敏感に感じるものです。
しかし40~50代になってくると、いつのまにか
凝りや痛みが持続的な感覚に変わり
気づくと体や関節の動きが硬くなっている。
たまにストレッチをしてみると、体が硬くなっていてガビーン!なんていうのがこれ。
つまり五十肩という症状は、必ず肩周辺に定期的に強い凝りや痛みを感じていた
期間があって、それが治まると関節の動きが以前よりも硬くなった事を繰り返した
結果です。
本人は忘れてしまっていても、強い肩凝りや痛みを自覚した時期が必ずあったはず。
そして 「 今回もう耐えられない! 」 とお医者さんに行ったら ” 五十肩 ” ですと
診断される。 これが一般的な経過と症状です。
でも、どうして関節の動きが前よりも硬くなるのでしょうか?
ここに反射が関っています。
冒頭では、普段痛みを感じなくても体は組織の損傷と修復を繰り返していると
説明しました。 少し復習してみます。
人体に一定以上の組織損傷が発生した場合には、患部からその情報が
脊髄を通って脳へ伝達され、脳まで伝わってはじめて 「 痛み 」 を認識する
仕組みになっていました。
しかし、微々たる情報にいちいち反応しては困るので、一定以上の情報
( 閾値 ) に達しなければ脳は 「 痛み 」 を自覚しません。
そしてここから重要ですが
実は、微々たる筋肉の損傷であっても
脊髄からは、送り返しに筋肉を収縮させる反射が起こっています。

こうした積み重ねが起きたらどうなるでしょうか?
微々たる損傷でも、反射が起これば徐々に筋肉は収縮していきます。
年齢も若く、回復力の早い時期は筋肉にも弾力があって血流の流れも良い
ですから凝りになる事は稀です。 しかし、回復力が低下してくると度重なる
反射によって徐々に筋肉は収縮され、回復が追いつかなくなると
いつしか持続的な凝りを自覚しはじめるようになってきます。
そして筋肉の収縮は次第に 「 神経や血管 」 をも圧迫しはじめます。
こうなると局所の循環不全を引き起こします。
循環不全が起これば、筋肉は 【 細胞間 – 血管 】 で栄養のやりとりがお粗末になり
更に緊張という悪循環に陥ります。 そしていつしか圧迫された神経が
悲鳴をあげはじめ 「 痛み 」 として知らせるようになる。
そして、『 脳 』 が痛みに気付いた段階から 『 慢性痛 』 になる訳です。
つまり、 ” 改善してもおかしくない時期にまだ痛みが残っている “ のは
些細な 『 反射 』 が積もり積もった結果ということ。
五十肩のようにある時期に凝りや痛みを感じ
それが治まると関節の動きが硬くなっているのは
体が痛みに対して可動域を少なくする事で対応した苦肉の策であり
そのぶん無理に関節を動かそうとすると、二次的に
筋肉・靱帯・関節包・軟骨・骨に更なる負担をかけてしまうという矛盾の結果です。
当然痛みが起これば反射が更に促進され、また筋肉は収縮してしまう。
“ 改善していてもおかしくない時期にまだ痛みを感じる ” のは
この為ではないでしょうか?
この悪循環を改善させることに目を向けない限り、治療といっても
症状はなかなか緩和できないのではないか ・・・
次回は 筋肉の柔軟性と反射 に目を向けてみたいと思います。



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