東洋医学での腎・膀胱の捉え方
腎は生命力の源
腎が貯蔵する 「 腎精 」 は 「 先天の精 」と「 後天の精 」 から構成されます。
「 先天の精 」とは両親から受け継いだもので、主に人の成長・発育・生殖機能に関わっている。
つまり生まれついた体質というべきもの。
一方、「 後天の精 」 は、 脾 より吸収された ( 水分・栄養素 ) から変化した精で
腎に取り込まれて先天の精を絶え間なく補っていく。
この腎精によって人の、「 生・長・壮・老・死 」 が決定されていく。
そして先天の精による働きを 「 命門 ( メイモン ) の火 」 と言い
これを元に、五臓六腑は活動し後天の精を作り出しています。
そのため、腎精は生命力の源ともいえます。
命門
『 命門 』 とは 『 原気を発動させる力 = 生命の本源 』 です。
命門には陰陽水火の気が存在すると考えられていて
『 命門の火 』 は別名を " 真火 " と呼ばれ、人体の陽気を動かす
力の源となり、 『 命門の陰 』 は別名を " 真水 " といい
「 生命を滋養する根本的物質 」 となっています。
バランスが崩れると
● めまい、耳鳴り ● 足腰のだるさ、疲労感
● ほてり、冷え、不妊症 ● 性機能減退
などの症状が ・・・
また腎は水液の代謝と調節を管理しています。
水液の代謝・調節には主に 「 脾・肺・腎 」 が関与しているが
その中でも特に中心的役割を果たしているのが 「 腎 」
水液の 「 代謝 」 とは、飲食物から得られた水分を全身に運輸して
各臓腑が利用した廃水を回収し、体外へ排出する機能のことです。
一方、水液の 「 調節 」 は尿の貯留排泄バランスを調節すること。
貯留しすぎてオシッコが出ないと浮腫になったり、余分に排泄しすぎても
良くありません。
バランスが崩れると
● 浮腫 ● 水腫
などの症状があらわれます。
腎は納気によって ⇒ 清気を取り込む
肺が吸入した清気を腎が取り込む作用を 『 納気 』 と言います。
この作用によって呼吸は体内深くまで浸透し、正常なガス交換が行われます。
腎の納気がなければ肺の呼吸は浅くなり、清気はすぐ咳となって外に出てしまいます。
バランスが崩れると ・・・
● 喘息 ● 息切れ
などの症状があらわれやすくなる。
⇒ 脳・骨髄は腎に養われている
腎精は髄 ( 脊髄・脳 ) を生み出し、髄は骨を栄養しています。
腎精の不足は、骨折しやすくなったり歯が脆くなったり、小児では
大泉門の閉じが悪かったりします。
また、毛髪は腎精と血により養われているので、年齢にそぐわない白髪や
若禿といった現象も腎と関係があります。
腎は耳と二陰 ( 生殖器・肛門 ) につながる
聴覚は腎の精気と深い関係があって、精気が十分ならば脳は栄養され
音を聞きわけることができます。
老人の耳が遠くなる傾向は腎精の衰えが関係しています。
二陰とは生殖器と肛門の事で、その働きは排尿・排泄・生殖です。
これらには全て腎の働きが関り、そのバランスが崩れると
● 頻尿 ● 排尿困難 ● 老人性便秘 ● 夜明けの下痢
などの症状があらわれます。
膀胱の作用
膀胱は腎とつながり、尿を貯め排尿を司ります。
この働きは、腎の管理のもとコントロールされ、腎のバランスが
崩れると頻尿や尿失禁などの症状となってあらわれます。
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