東洋医学での脾・胃の捉え方
脾は気血を生み出す源
東洋医学でいう脾とは、「 消化吸収の働きの総称 」であり、気と血を生み出す源です。
脾は胃腸で消化された飲食物を、気 ( エネルギー ) や血に変えて心肺へ送り
そこからから全身へと運搬される一連の働きを司っています。
これを脾の 「 運化作用 」 といい、取り込んだエネルギーを昇らせる働きを
「 昇清 」 と言います。
運化昇清のバランスが崩れると ・・・
● 食欲減退 ● お腹の膨張 ● 下痢 ● 浮腫 ● 内臓下垂
などの症状が
また、気血を生み出す脾には血を管理する 「 統血作用 」 があります。
気には固摂作用といって、血液が血管から漏れないように保護する働きがありますが
これに先ほどの脾の特徴 「 昇清 」 があわさって 「 統血作用 」となる。
統血作用のバランスが崩れると ・・・
● 血尿 ● 血便 ● 月経過多
などのサインがあらわれます。
⇒ 脾は美しい肌肉を養う。
肌肉 ( きにく ) とは肌・肉のこと。
手足の末端まで栄養が届くのは脾の働きがあるからこそで
脾の働きが衰えると、食べても栄養が吸収できずに痩せ衰え
活力のない状態になります。
バランスが崩れると ・・・
● 痩せ衰える ● 活力がでない
口唇の色艶や味覚とも関連
食べ物が入り、脾 ( 消化器 )とつながる最初の場所は口です。
口唇の色艶は気血の状態をあらわしています。
また、味覚は脾の運化と胃の状態を表すバロメーターになっていて
食欲に影響します。
脾のバランスが崩れると ・・・
● 味がしない ● 味覚異常 ● 口が苦いや甘いなど
胃は消化の第一段階!
食物を脾に渡すことができないと、気血は産生できません。
胃は消化物を小腸へ降ろす役割があるので 「 腐熟と通降 」 を担い
変調の出やすい場所でもあります。
バランスが崩れると ・・・
● 消化不良 ● 便秘 ● 嘔吐 ● 口臭
などのサインがあらわれます。
東洋医学で気は、先天の精+後天の精 そして呼吸で得た
清気 ( 空気 ) が合わさって生成されると考えています。
精とはエネルギーの素となる物質で、先天の精とは父母
から譲り受けた遺伝的要因でその人に割り当てられた配分が
あり、年を重ねるほど消耗していくものです。 この先天の精を
補っていくのは食事 ( 後天の精 )。 栄養や水分を摂ることで
先天の精を補充していくことができます。
このことから 気の生成 に 脾胃が大変重要とされるわけです。
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