⑥ ストレスと反射
「 凝りって何だ? 」 と、5回に渡って自分なりにまとめてみました。
説明するのって難しいですね!
① 凝りと体の歪み
② 痛みの役割
③ 慢性痛や凝りの要因
④ 反射の影響
⑤ 筋肉の柔軟性と反射
最後は、心の見地から … 「 ストレスも反射を促進させる 」
このことを知って頂けたら、治療の幅も広がるかもしれません!
心 ( 感情 ) と " 自律神経 " との関わりについて …
自律神経とは ( 交感神経 ・ 副交感神経 ) の神経を総じた名称で
簡単に言うと “ 興奮 " と “ リラックス " とがシーソーのように作用する働きの神経。
交感神経は全身の皮膚、血管・汗腺・立毛筋・内臓などに分布して
恐怖でビックリした時や、イライラしている状態の時などに
体の緊張を優位にさせるように働く神経です。
過剰に働けば、全身が力んだり・冷や汗をかいたり、酷いと毛が逆立ったり …
そんな時は心拍数や血圧も上昇して、内蔵へ運ばれる血液量が低下する。
これは100M走直前の緊張状態といった感じでしょうか!
一方、副交感神経は交感神経とは逆の作用に働きます。
リラックス状態で優位となり、食事をしっかり消化・吸収するために内臓の働きを
活発にさせて、内臓への血流を増加させる。 食後って眠くなりますよね。
さて皆さんに質問!
凝りや痛みがある状況を思い出してみて下さい。
なんだか 「 イライラ 」していたり、気分が「 悶々 」としていたりしません?
こういう状況下では交感神経が優位な状態で、体に過剰な力みが感じてとれます。
その交感神経と「 慢性の凝り・痛み 」とは、密接なつながりがある。
具合の悪い患者さんや、痛みに悩む患者さんは、ちょっと不機嫌ですよね!
・・・ 心の状態が体に影響する典型的な例ですので、施術者は
「 生理学的に理解しておく 」 事も必要ではと思います。
交感神経について、ちょっと詳しく説明してみますね。
交感神経というのは脊柱の椎間孔から出てきますが、脊柱の両側に沿って
存在する交感神経幹( 交感神経節が数珠状につらなってる )を寄り道して
全身の皮膚や血管などに向かって分布していきます。
そして、話しが随分前に戻ってしまいますが、組織に損傷や筋硬結 ( スパズム )が
発生した時には " 患部 “ から痛みの情報を脳に伝える神経がありました。
Aδ と C 線維です。
Aδ や C 線維などの 『 感覚神経 』は、脊髄の後根 ( 入力 ) から求心性に
情報を送り、脊髄の前根 ( 出力 ) からは、筋肉を動かす為の 『 運動神経 』が
遠心性に情報を伝えていました。
凝りや慢性痛の要因には、“ 組織損傷や筋硬結による痛みの情報 “ が
脊髄を通り、脳へ送られる一方「 反射を介して 」運動神経へも関与すると説明しましたが
慢性痛の要因には “ 交感神経 “ も亢進状態にある事が関与しています。
交感神経が亢進したらどうなるのでしょう?
「 血管を縮めろ 」という反射が促進されます。
するとどうでしょう?
赤 = 感覚神経
緑 = 運動神経
青 = 交感神経
痛みが起こった事で、自律神経 ( 交感神経 ) が血管を収縮させ
それに伴って、更なる循環不良が形成されることが見て取れます。
交感神経によって血管が収縮すれば、更に筋肉には栄養が行き届かなくなり
また発痛物質を発生させてしまうという悪循環。
その情報を今度は C 線維が再び 『 痛み 』 として捉えていること。
組織の修復 ( 炎症 ) はとっくに終わっているのに、交感神経が過剰な状態だと
患部が再び ” うずいたり “、反射によって筋収縮と虚血状態を繰り返せば
C 線維が ” いつまでも組織が損傷しているかのように “ 勘違いな情報を送り続ける。
慢性痛とは、こういう状態に陥った事を言っているのだと思います。
もう明らかに炎症がないのに、C 線維や自律神経がいつまでも働き続けている状態!
だから、いつまでも痛みがあると感じてしまう。
こうしてみると ” 慢性の凝りや痛み ” には 「 心の状態 」も関与
していることがみえてきますね!
治療のこつは、” 患者さんを笑顔にする事 ” なんて良く言われたものでしたが
生理学的にみると、こういう理由があるからです。
ですから、なるべく相手に負担をかけない施術。 またリラックスさせる為の環境作りなど
安心感を演出するのも大切です。
今回、" 凝りってなんだ?" と自分なりにまとめてみて
改めて気が付く事も多く勉強になりました。
臨床家の先生は、「 どうやれば慢性痛や筋肉を緩める事ができるのか? 」
そっちのほうが知りたいことだと思いますが
その理屈は、こちらの 勉強会 で共有できたらと思います。
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