② 痛みの役割
痛みは 「脳」ではじめて認識される現象だと 前回 書きました。
では、「 痛みの役割って 」何でしょうかね?
2つ考えられます。
1.は、炎症を起こすことで、白血球・リンパ球などのいろいろな物質を総動員させ
損傷した組織を修復するため。
2.は、せっかく組織を修復しているのに、動いてむちゃをされたら新たに二次災害を
起こしてしまいますよね!
なので、二次災害を防ぐ警告としての役割も 「 痛み 」 にはあると思います。
では、どうやって壊れた組織は、痛みを知らせるのでしょうか?
組織が損傷すると、細胞から痛みを知らせる 「 発痛物質 」 が放出されます。
この発痛物質は、筋肉・靭帯・臓器・骨膜・脳膜など ・・・ 体の至る所に存在する
神経の受容器 ( レセプター ) に感知され、その情報は背骨の中にある脊髄神経を
通って脳に伝わり、最終的に 「 痛み 」として認知されます。
そして 「 痛み 」 には実は種類があります。
「 速い痛み と 遅い痛み 」
ひとえに 「 痛み 」といっても、人それぞれ感じ方は違います。
我慢強い人もいれば、ちょっとした刺激に過敏な方まで … 様々ですが、
大まかに分類すると
① 鋭い痛み ② 鈍い痛み の2つに分類することができる。
種類の異なった痛みの情報は、脊髄内をそれぞれ別々のルートで脳へ伝わっていきます。
ひとつは Aδ ( Aデルタ )と呼ばれる神経線維。
これは 「 新脊髄視床路 」 と呼ばれるルートを伝わります。
もうひとつが C 神経線維の通る「 旧脊髄視床路 」。
Aδ 神経繊維は、急性の鋭い痛みを伝えるのが特徴でして
ぎっくり腰の瞬間や、火傷した瞬間に感じる 「 強い痛み 」を伝えます。
この痛みは 「 ここが痛い! 」 と、本人がはっきり自覚できるのが特徴です!
一方、C 神経線維が伝える痛みは、ぎっくり腰を起こした後から感じるような痛みや
火傷してジワジワと感じてくる 「 鈍~い痛み 」 を伝えています。
Q では、「凝り」は?
① Aδ 神経線維 or ② C 神経線維の、どちらが伝えているでしょうか。
ほとんどの人は 「 凝り 」 を表現する際
ぎっくり腰や火傷の瞬間に感じるような、鋭い痛みではないはずです。
ということは、普段感じている凝りというのは ② の C 神経線維 と
関わりが大きいということ。
怪我をしてすぐに感じる痛みは 「 急性痛 」と言って、急性の痛みというのは
新たな組織損傷を起こさせないよう 「 動くな! 」と、警告信号を
脳へ送る役割がありました。
これを伝える神経は Aδ で、体を守るために必要な感覚と言えます。
これに対し 「 慢性痛 」は、組織損傷がさほど強くない状態や
もうとっくに改善していてもおかしくない時期に 『 まだ痛みが続いている状態 』で
「 慢性的な痛み 」 = 「 慢性痛 」って言われています。
西洋医学は、慢性痛に対し " 一時的に痛みを抑える薬 " 以外には
あまり手段を持っていないのが現状でして
実際に、接骨院や整体・鍼治療を希望する患者さんの8割が
慢性的な痛みに悩んでいると言っても良いかもしれません!
そうでなくても、普段から凝りに悩まされている人は大勢いらっしゃいますね。
でも、ちょっとまって!
改善していてもおかしくない時期に、まだ痛みがあるって変じゃないですか?
次回は 何故、慢性痛は起こるのか? を考えてみましょう!
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