東洋医学での肺・大腸の捉え方

2017年6月15日

肺はガス交換と体表の防衛

肺は呼吸を管理することから、 「 気 」 と関連すると言われます。

呼吸によって天の 「 清気 ( 新鮮な空気 ) 」 を吸収し
「 濁気 ( Co2 ) 」 を吐き出して

呼吸器を清潔に保ちながら、体内と外界とのガス交換を行っている。

呼吸によって吸収された清気は、脾 ( 消化器系 ) で作られた
「 栄養 」 とあわさって全身に散布され、臓腑は生理活動を営むことができます。

故に肺は気を支配し、この作用を  「 宣発粛降 」 と言う。

宣発粛降のバランスが崩れると

● 呼吸の異常 ● 咳

などの症状が

また肺は全身の 「 皮膚 」 とも関係していて、気をめぐらせることによって
毛穴の開閉を調節し、発汗によって体温の調節をおこなっています。

そして外から病邪が侵入できないように、体表を守る役割もあります。

バランスが崩れると

● 悪寒、発熱 ● 風を引きやすい
● 過剰な汗 ● 無汗 ● 皮膚がカサカサ

などの症状があらわれます。

肺の働きの2つめは水分代謝!

先ほどの発汗による汗の排泄もそうですが、肺は水分代謝に関り
体内の水を呼吸によって 「 腎 」 まで運び、尿をつくる素とします。

肺が水分代謝に関る一連の働きを  「 水道通調 」 と言います。

水道通調作用のバランスが崩れると

● 痰ができる ● 浮腫

などのサインがあらわれます。

鼻・咽喉は肺と通じ、臭いや発声に関係がある

嗅覚や発声は、肺気の作用によって管理されています。
肺気が正常なら臭いをかぎ分けることができ、適度に潤い発声もしっかりしています。

バランスが崩れると ・・・

● 鼻詰まり ● 鼻水 ● くしゃみ ● 声に力がない ● 喉の痒み

大腸の作用

大腸は小腸が栄養分を吸収した後の、カスを受け取り
余った水分を更に吸収して便に変え排泄させます。

これを 「 伝導作用  」 と言います。
 
大腸の伝導作用は、肺の粛降の助けが必要で、肺気の減退は大腸にも影響します。

「 伝導作用 」 のバランスが崩れると

● 便秘  ● 下痢

などのサインがあらわれます。


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