” 技 ” を真似ると盗む

2019年10月4日

技を真似る・盗む

技術の習得において基本とされる 「 まねる 」 と 「 ぬすむ 」 。

この両者にどのような違いがあるか? 「 身体感覚を取り戻す( 斉藤孝 著 )」 に
このような一節があった。

まねる力は、他者の動きをイメージとして自分の身体のように感じ取る能力のことで

盗む力は " ある程度課題がはっきりした上で “ ポイントを絞って動きを捉える
能力のことなのだそうだ。

なるほど。 伝統芸能のように、純粋に技術の向上をはかるならこうあるべき!

しかし現代の治療院形態では、少々難しいのではないか ・・・
そんな事を思った。 なぜなら

① 教わりたくても技術は隠される傾向にある

② 懇切丁寧に技術を教えても、すぐに辞められたら困る

このように、教わる側 ( 働く ) と教える側 ( 働いて貰う ) 双方の
意見を聞いたりします。 どちらも正論だと思います。

に関しては、まねる能力に長けた人しか後進は育たず
に関しては切実な問題。 無料で技術を教える間もお給料は発生しますし

覚えるまで戦力になりません。 そして覚えた途端に辞められたら困ります。
 

こういうギャップがあるから誰でもできるような事しか教えられないのでは!

特に個人治療院においては、余剰な人材育成費用という観点からも
後進を育てることは難しくなっているかもしれません。

今の時代、なかなか無給という制度は受け入れられないでしょうし
まして、専門学校の規制緩和によって毎年増え続ける資格者は脅威の存在とも言えます。

こうした悪循環は " 業界の質の低下 “ を招くことに繋がっていく ・・・

これからの治療業界は、人材派遣業なくして成り立たないのではないか?

そんな風に先を読んでみます。
 

しかし、派遣業は技巧を必要とする分野では人材育成の妨げとなっている事は明白。

数年で " 解雇 " という縛りがあっては、技能なんて身につきませんね。
でも会社としては安く雇えるので、安易にそうしてしまう現実が ・・・

おりしも今回の選○戦。 TVで派遣労働を原則自由化したある党が
「 世界で一番の日本へ 」 と、かなり笑えないキャッチコピー。

いずれにせよ、技術の習得にはお金を払う事が必要だと思いますが
提供する側は習った人が払う金額に対し、それ以上の価値があったと
思ってもらえる工夫が大事!

ギブ&テイクのバランスとも言えますが、私の場合は 「 相互扶助 」 をテーマに
勉強会に参加頂いた方と双方発展していけるシステムを作る事が今の所理想。
 

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