寒湿困脾

2019年9月25日

ツンデレ弁証論治
胃のあたりに張った不快感。
吐き気を伴うこともあります。
食べても味がわからないことも。

喉がかわかないのでオシッコも少ないですが
なぜか下痢気味です。

手足や頭がじっとりと重だるく、浮腫がありませんか?
顔色は少し黒っぽい ( すすけた ) 黄色。

寒湿が内盛となって、中陽 ( 中焦の脾陽 ) が障害されて起きた証候。

飲食不節・生冷の食品を食べ過ぎた・雨に濡れて歩いたり水の中を歩いた
湿った場所にいた・内湿が盛んな体質などで発生することが多いです。
 

臨床症状

・ 脘腹 (上腹部) が痞悶して脹痛がある・食少で便溏 (下痢 )
・ 泛悪 ( 悪心 ) して吐きそう・口淡 ( 味がしない ) で喉が渇かない
・ 頭や身体が怠くて重い・顔色が黒っぽいか黄色。
・ あるいは肌膚や顔目が黄色くなり、その黄色は煙でいぶしたように黒っぽい
・ あるいは肢体の浮腫、小便短少
 

考察

寒湿困脾証は、脾の運化機能の障害に、寒湿中遏 ( 寒湿が中焦を障害する )
の加わった症状が証を調べるポイント。

脾の性質は、燥を好んで湿を嫌うので、寒湿が内へ侵入すると
中陽が障害され脾気が遮られて運化できなくなり、脘腹部に軽ければ痞悶
重ければ脹って痛み、食欲が減退する。

湿が腸中に注ぐと、大便が溏薄 ( 水っぽい ) になりひどければ泄瀉となる。

胃気が和降しないので、泛悪して吐きたくなる。
寒湿は陰邪に属すが、陰邪は同じ陰に属す液を消耗しないので
口淡で喉が渇かない。

脾は肌肉を管理し、湿の性質は重くして付着するので、肢体が重くなり
清陽が広がらないので頭が包まれたように重い。

湿が障害して気滞が起きれば、気血運行が不利になり
外では肌膚を繁栄させられず、顔が黒っぽい黄色となる。

寒湿が脾を障害し、陽気が行き渡らず、それに伴って胆汁も外へ漏れ
肌膚や面目 ( 顔と目 ) が黄色くなり、その黄色は煙でいぶしたように黒っぽい。

陽気が寒湿で遮られるので、水湿を温めて代謝することができず
肌表に溢れて肢体の浮腫となる。膀胱気化ができないので小便が短少になる。

寒湿困脾と脾陽虚は、どちらも脾が健全に運化できず
寒象 ( 寒状態 ) と湿阻 ( 湿の障害 ) がある。
しかし両者は重点が異なるので、鑑別のポイントを以下に示す。

寒湿困脾証 :寒湿が内を侵し、中陽が障害されたもので、性質は実
発病して間がなく白膩苔、濡緩脈。

脾陽虚証 :陽虚のため運化できず、寒湿が内生したもので、性質は虚
発病して長く白滑苔、沈遅脈。
 

治療原則 : 【 温中化湿 】

【 舌脈 】    舌淡紅~肥大・苔白膩 / 脈濡緩
【 処方穴 】   中脘・足三里・三陰交・公孫 / 内関
 

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